そもそも、何故スモールマウスバスの釣りでは小さいルアーやワームが主流になってしまうのか。
スモールとラージを大まかにバスフィッシングというジャンルで見た場合、普段 ビッグレイクでダイナミックな釣りをしてる人達からすればセコくて子バスイジメに近い感覚があると思います。
ですが、浅瀬男からすればスモールマウスバスフィッシングとラージマウスバスフィッシングが同じジャンルにとらわれる事に疑問があります。
普段、海でGTやシイラ、カツオを狙ってる釣り人がバスフィッシングに行ってラージを狙うときにタックルやルアーをそのまま使うでしょうか。
ビッグベイトとして無くは無いでしょうが、変える所だと思います。
渓流の釣りでは小さなフライを使います。
狙う魚の口が小さいからというのもありますが、魚が普段食べている餌に似せる為です。
どんな疑似餌の釣りにも
『マッチ ザ ベイト』という基本の概念が存在します。
狙う魚種が変われば、タックルやルアーが変わるのは『マッチ ザ ベイト』の考えからすれば当然の事なのです。
フライを海で使いGTを狙ったらセコ釣りと呼ばれるでしょうか。
タックルバランス的に釣りになりませんよね。
渓流の釣りでGTやシイラを狙うような巨大なトップウォータープラグを使うでしょうか。
ヤマメやイワナの口に針が入りませんよね。
極端すぎる例でしたが、ラージとスモールにはそれくらいの違いがあります。
同じブラックバスという呼び名ですが、全く異なる魚種。(むしろ呼び名を分けてもいいんじゃないかと思うくらい)
同じタックルを使いますが、全く違うジャンルの釣り。それは海と渓流の差くらいに考えてもいいくらいです。
ラージはその名の通り口が大きな魚。
基本的にはストラクチャーに依存し、待ち構えて、近い範囲(⇒ストライクゾーンが狭い)を通る餌を狙います。
大きな口を活かして、一発でより大きい餌をです。
狩りはたくさんの体力を消耗するので、なるべく無駄な行動を抑え、少ない労力でたくさんのエネルギーを得ようとします。
(だから、太い魚体が多い)
人間でいうと食事が1日2回のお相撲さん。
スモールはその名の通り口が小さな魚。
口が小さいので、大きな餌を単発で獲るよりも、小さい餌でも食事の回数を増やすことによってたくさんのエネルギーを得ようとします。だから回遊性が高く(⇒ストライクゾーンが広い)筋肉の付いた絞られた体の(細い)魚が多い。
人間でいうとランナーのような細マッチョ。
だから、スモールを狙う時には2インチクラスのワームが当たり前の浅瀬男でも、ラージを狙う時には『2インチはセコいだろっ!』と思います。
同じ2インチでも、ラージではセコ釣りになり、魚種が変わればそれは変わり、スモールや海のカサゴ、メバルには当たり前のマッチ ザ ベイト。
スモールが大好きなエビはけっこう細くて小さいです。
ラージとスモールは別の世界の釣りです。
カサゴやメバル等の根魚を狙う時は口に合ったサイズのワームでボトムを意識した釣りを展開します。そこにはS字系ビッグベイトが介入する余地はありません。
魚にはそれぞれに合った釣り方があり、魚が変われば道具も変わります。
浅瀬男はスモール用の釣り具を調達するときは、バスコーナーよりも海や渓流のコーナーに時間をかけて使えるものを探します。
それくらい、今のバスコーナーにはスモールに使える物は少なく、他魚種コーナーの方が使える物が多い。
(余談ですが)
ラージとスモールどちらも例外というか、自然界には絶対というのは無くて、回遊性の高いラージとストラクチャー依存の高いスモールも当然います。
シーズナルパターンとマッチ ザ ベイトは100匹の魚がいたら60~70匹の魚に当てはまる考え方の基本。
残りの30%から40%の魚が外れた行動をとる強い魚(デカバス)&生まれたの魚(子バス)です。
トーナメントでは外さない為の戦略にこのシーズナルを活用しつつ、勝つために外れた魚を追った釣りの戦略をいかに組むかが重要で面白い所。
(話を戻しまして)
昨日、ご紹介したチューンで何故 差が出るのか。
アフターで体力回復の為に荒喰いをしている時期のスモールはノーマルの2インチシュリンプとヤゴに差はあまり出ません。
体力が安定しグルメになる9月から晩秋。
ワームを見に来た時に食うか見切られるかの勝負があります。
昔、まだブラックバスが特定外来生物に認定される前(持ち出しに規制が無かった時代)、浅瀬男は家で大きな水槽でブラックバスを飼っていました。餌として色んなベイトを与えましたが、特にザリガニやエビなどの甲殻類には、『ハサミ』の存在に対してバスはとても敏感でした。
威嚇するハサミをバスが嫌がるのです。
ハサミ付きのザリガニとわざとハサミを切ったザリガニ『ハサミ無し』を同時に与えると高確立で『ハサミ無し』の方から食べました。そして、ハサミありの方はなかなか食べられずに長生きしてました。
(ハサミありを襲うときは背中や後ろ側からでした)
ハサミありを襲う側のバスの性格にも個体差があるようで、
時間をかけてハサミを先に喰いちぎるバスや、腹を空かせた限界の時に仕方無くやっと食べるバス、最後まで食べようとしないバスもいました。
が、いずれもハサミ無しはすぐに食べたので、ハサミ一つでバスの食欲に差が出るのは明らかでした。
水槽で観察してた時に気付いたもうひとつ。
『飲み込みやすさ』です。
バスは飲み込みに失敗してベイトが口の中でつっかえると稀に死ぬ場合があります。
実際に水槽で、ザリガニが口につっかかってて死んでしまったバスもいました(発見したときは悲しかった)
飲み込みやすいベイトはすぐに食べられる。
2インチのワームでハサミに差が出るとは思いづらいかもしれませんが、普段から小さい餌をメインに生きているスモールは『小さい物を見る能力』がラージより長けています。
ハサミへの警戒心と飲み込みやすさを本能的に求めているのは、2インチサイズへも少なからずあります。
シルエットが小さくなることで飲み込みやすくなり、威嚇するハサミが無い方が本能的にも秋の実際の釣果的にもオススメのチューンです。
野尻湖のスモールがヤゴを主食にしているからというのではなく、サイズや本能による喰わせ技。
名前はヤゴでも、使うイメージは甲殻類系。
経験から来る持論ですが、2インチヤゴ。
オススメです。
今年のスモール練習では残りの30%~40%の強い魚、つまりビッグベイトやビッグワーム、ハードプラグを絡めた釣りで スモールの追究をしていこうと考えてます。